日常を笑うファインダー/AKIPINとSACHIKO(AKIPINの妻)
2021/01/15ジョギングをはじめる。/AKIPIN
4月から3ヶ月で6キロも増えたままなので、朝ときどきジョギングをしている。
たった10分〜20分、近隣をぺろんとまわって帰ってくるだけなのだけど、高校から運動を避けて生きてきたぼくには革命的な取り組みだ。
ジョギングルートでいちばん好きなのが賀茂川の景色で、いちばん好きじゃないのは終盤の登り坂。”心臓を破る”ような傾斜ではないのだけどやや距離があるのが運動不足のぼくにはきつくて、「自分を追い込む試合前のボクサー」みたいな気持ちに、なるのは自由なので、なりながら登っている。そして登り切ったところでシュッシュッ!とシャドウボクシングを、するのは自由だけど、さすがにしていない。
この坂がきついのである日、(この坂を登ったらもうあとは家まで歩いてよしとするか?)と自分に問うた。(よしとする)と自分は答えた。ジョギングルートの実質的短縮が満場一致で成立した。またある日からは坂の頂上付近にダンボール箱が捨て置かれ、ぼくは側面に印字された”ソフトパン粉”という明朝体をにらみ見上げながら登ることとなった。(誰がこんなとこに捨てたんやろ)とか、(今日もあるやん)とか、(なんでそんなにソフトバンクに似てるん?)とか心の中でブツブツ言いながら登るのだけど、いちばんきつい坂の最終盤ではただ(ソフトパン粉ーー!!)と叫ぶだけになり、ゴールの歓喜をソフトパン粉と分かち合っている。ジョギングすればするほど、ソフトパン粉と叫べば叫ぶほど、ぼくの健康は改善してゆく。ぼくの健康はソフトパン粉とともにある。それは違う。