日常を笑うファインダー/AKIPINとSACHIKO(AKIPINの妻)

2020/12/09妻に髪を切ってもらう。/AKIPIN

髪の毛が伸びたので妻にカットをお願いする。妻は免許も何にもないけど、手先は器用なので、”うっとしく伸びた毛をさっぱりさせる”というくらいにはしてくれる。椅子やハサミなどの道具を用意したぼくはいったん部屋の外に出て、すぐ入る。
「すいません、予約してないんですけどいけますかね・・?」
「どうぞどうぞ、お座りください」
「よかったー」
「今日はどうしときましょ?まぁ、良いようにしときますねー」
「えっ?」
「ウチ、要望とか聞かないシステムなんで」
美容師・妻の調子はいつになくよかった。
「あ、でもここの右側の毛は」
「あ、ウチ、ここはこうとかそういうの無しなんで。ニュアンス出しときますねー」
美容師・妻はもうザクザクやり始めていた。
「お客さん伸びたはりますねぇ〜」
「しばらく放置してまして」
「量も多いですねえ。ニュアンス出しときますねー」
「年々毛が細くはなってきた気がしてますわぁ」
「ここもバリカンでいっていい?」
「うん」
「年々細くですかぁ〜!まぁニュアンスはだしときますね」
「量があるだけありがたいですけどねぇ」
「ここのニュアンスとこのへんのニュアンス出しときますね〜」
「ちょ、ニュアンスニュアンス言い過ぎ!ニュアンスってなんかこう、終わったあとに”いいニュアンスに仕上がってるな〜”みたいにふわっと感じるもんじゃないんですかね?美容師ってそんなにニュアンス出す出す言いますかね?」
「・・・出しときますねー」

そんなこんなで、昼は下がっていった。

 
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